「重い通学バッグ、大丈夫?」成長期の背骨にかかる負担と正しい対策

◆成長期に気をつけたい姿勢の話

「毎朝、あんなに重そうなバッグを背負って学校へ…」

「このままで背骨が曲がったりしないかしら…」

そう感じるお母さま・お父さまは多いのではないでしょうか。

中学生・高校生の荷物は、教科書、タブレット、部活の道具、上履きなどで7〜9kgになることも珍しくありません。

これは、体重45kgの子であれば体重の15〜20%に相当します。

実は、子どもの体にとって「安全」とされる荷物の重さの目安は、体重の10〜15%。

つまり、毎日その限界を超える重さを背負って登校している子が少なくないのです。

 

◆重いバッグが背骨に与える影響とは?

成長期の骨はまだ柔らかく、筋肉のバランスも発展途上です。

片方の肩だけに重さがかかると、背骨が左右どちらかに引っ張られるようにゆがみ、姿勢が崩れてしまうことがあります。

最初は「肩の高さが違う」「スカートのラインが斜めになる」といった小さな違いから始まり、放っておくと側弯症(背骨が横に曲がる状態)が進行してしまうことも。

 

重い荷物を長期間背負うことで起きる変化は、

  •  肩・腰の慢性的な痛み
  • 呼吸が浅くなる(胸郭が広がりにくくなる)
  • 体幹の筋肉バランスの崩れ

など、「姿勢」だけではなく「健康全体」に影響します。

 

◆正しい通学バッグの持ち方チェックリスト

ご家庭で今日から確認できるポイントをお伝えします。

リュックは両肩で背負う(片掛け禁止!)

ベルトは短めにして、背中に密着(腰より下がらない位置)

重い荷物は背中側に入れて(教科書、タブレット、ノートパソコン)

荷物はできるだけ減らす(学校に置けるものは置く)

肩や背中に跡が残っていないかチェック

これらを続けるだけで、背骨への負担は大きく減ります。

また、最近は胸ストラップ付きリュックも増えています。

胸の前で留めるだけで体全体に荷重が分散し、疲れにくくなります。

 

「姿勢が気になる」と感じたら

肩の高さが違う

・背中のラインが片方だけふくらんでいる

・ズボンやスカートのラインが傾いている

お子さんを後ろから見たときに、こんなサインがあれば、早めに専門家に相談しましょう。

成長期の体は“整えやすく、守りやすい”時期でもあります。

当院では、体のバランスを確認し、必要に応じてやさしい調整や自宅ストレッチ指導を行います。

「毎日の荷物は変えられないけれど、体の状態は整えられる」その安心を、ぜひお子さんにも感じてほしいと思います。