今、インフルエンザが大流行 ──院長が経験で繰り返し見てきた大切な傾向

◆インフルエンザ・風邪が流行する11月

毎年この時期は、学校でも塾でも体調を崩すお子さんが一気に増えます。

今、学校閉鎖や学級閉鎖が相次ぐほどの広がり を見せています。

「熱が下がって、もう大丈夫かな」そう思っていても、実は身体の筋肉はまだ完全には戻っていないことが多いのです。

当院でも、“風邪が良くなった直後に整形外科で側弯症の検査を受けると、角度(コブ角)が悪く出てしまう”というケースをよく見ます。

これは、見た目の問題ではなく、レントゲンで測定される“実際の角度”が悪化してしまう現象 です。

院長の長年の経験でも、多い現象です。

 

◆なぜ、風邪の後は「角度が進む」のか?

風邪やインフルエンザのあとには、身体の中で次のような変化が起こります。

 

🔸筋肉が“ゆるむ”

風邪で体力が落ちると、背骨を支える筋肉(特に体幹)が一時的に弱まります。

背骨のカーブを支える力が弱るため、レントゲン上で角度が実際に大きく出てしまう ことがあるのです。

🔸 咳や発熱で胸郭(肋骨まわり)が固くなる

咳が続く、身体がこわばるなどで、胸郭(肋骨まわり)の動きが悪くなります。

胸郭が固まると背骨全体のしなやかさが失われ、本来よりも“曲がって写る”状態 になります。

🔸 長く寝込む・横になる → 左右差が出る

・長時間横になる

・同じ側ばかり下にして寝る

これにより筋肉の左右差が生まれ、レントゲンで角度が強く出る原因 になります。

 

◆だからこそ「風邪が良くなる前後の検査」は注意が必要

もちろん病院の検査はとても重要ですが、院長がよく伝えているのがこの一言です。

“風邪の直後の検査は、実際の角度より悪く出ることがある”これは側弯症専門院で多くのケースを見てきたからこそ、はっきりと分かる臨床的なポイントです。

 

◆予防は“免疫”だけでなく“姿勢”にもつながる

風邪をひかないことは、健康のためだけではありません。
背骨を支える筋肉を弱らせず、検査の角度を守るための大切な対策でもあります。

風邪をひくと身体が弱り、それにともなって筋肉がゆるみ、背骨を支える力が下がりやすくなります。
その結果、検査では角度が悪く出てしまうことがあります。

こうした流れを防ぐためにも、体調管理は“姿勢ケアの一部”と考えていただいて大丈夫です。

 

◆親御さんができる“冬の姿勢ケアと体調管理”アドバイス

  • 無理して学校や塾に行かせない
    →回復を急ぐと筋肉の疲労が残り、左右差やゆるみが続きやすくなります。
  • 寝込む時は「同じ向きで寝続けない」
    →左右を入れ替えながら休むだけで、傾きの定着を防げます。
  • 検査は“完全回復後”がベスト
    →検査日が調整できるなら、体力が戻った後をおすすめします。
  • 回復期には、軽い深呼吸や肩回しを
    →胸郭を動かすことで、背骨の動きも戻りやすくなります。

 

◆当院ができるサポート

風邪明けは身体が非常にデリケートで、優しい調整が最も効果を発揮する時期でもあります。

この時期の施術では、まずゆるんだ筋肉の左右差を整え、固くなった胸郭をやさしく動かしながら、呼吸が深くなるようサポートしていきます。

こうしたケアによって、背骨が“まっすぐに戻りやすい状態”がつくられ、回復後の角度が良い方向へ戻りやすくなります。

また、検査前に身体を整えておくことで、結果にプラスに働くケースも多く見られます。

 

◆風邪と側弯症は、無関係ではありません

風邪をひくと、背骨を支える筋肉が確実に弱ります。

それはつまり、側弯症の検査角度にも直接影響するということ。

風邪を“予防すること”は、お子さんの未来の姿勢を守ることにつながっています。

インフルエンザや風邪が流行する今こそ、いつも以上に体調管理と身体のケアを大切にしていきましょう。