側弯症の検査が近づくと、
「前回より角度はどうだろう…」
「生活のクセが影響しないかな…」
そんな不安を抱く親御さんは少なくありません。
実は、検査の角度(コブ角)は、“日常の姿勢” と “検査直前の状態” の両方から影響を受けます。
今回は、日々の姿勢を整えるための習慣 と検査直前に気をつけたいコルセットのポイントを分かりやすくお伝えしたいと思います。
◆日々できる“姿勢の整え方”
背骨は、一度で劇的に変わるものではありません。
だからこそ、毎日の小さな習慣 がとても大切です。
ここでは当院で多くのお子さんにお伝えしている“続けやすくて優しい姿勢づくり”をご紹介します。
- 深呼吸で胸をひらく
胸郭(肋骨のかたまり)が固くなると、背骨がまっすぐ戻る力が弱くなってしまいます。
深く吸って、ゆっくり吐く。
これを数回繰り返すだけで、胸がひらき、姿勢の軸が整いやすくなります。
- スマホの位置を低くしない
視線を少し上げるだけで、首・背中・胸の負担がぐっと軽くなります。
「スマホ、ちょっと上に持ってみてね」という声かけで十分です。
- 座りっぱなしを区切る
30分〜1時間に一度、立って背伸びをしたり、肩を回すだけで固まった背中がふわっとゆるんでくれます。
- 日々の積み重ねに “縦横体操・バランス体操”
当院では、側弯症の方が無理なく続けられるよう縦横運動(たてよこ運動)とバランス体操 をお伝えしています。
◎縦横体操
背骨を“縦の動き”と“横の動き”からやさしく整える体操です。
肋骨の動きを柔らかくし、呼吸を深くしやすくしてくれます。
◎バランス体操
左右差をゆるめ、姿勢の軸をつくる体操です。
激しい動きはなく、多くのお子さんが続けやすい内容です。
この2つは、“毎日少しずつ整えるための習慣” としてとても効果的です。
◆検査直前に気をつけたいコルセットの“ひと工夫”
ここからは、検査直前 の大切な話です。
院長も常に患者さんにお伝えしているポイントです。
コルセットを着用したままレントゲンを撮る場合、前回と同じ強さ・同じ位置で締めること がとても重要です。
なぜなら──
前回と締め方が違うだけで、角度が大きくも、小さくも出てしまう ことがあるからです。
~コルセット直前の注意ポイント~
| 〇“誰が締めるか”で力加減が変わる
本人・親… 違う人が締めると、どうしても力が変わります。 できれば、本人自身が毎回同じ力加減で締められるよう練習する のがおすすめです。
〇 目安となる“締め位置”に印をつけておく マジックテープの重なり部分などに小さな印をつけておくと再現しやすくなります。 これはとても効果的な方法です。
〇病院でも「前回と同じ強さで締めています」と伝える 医師・技師さんにも状況が伝わり、より正確な判断につながります。 |
◆姿勢の積み重ね × コルセット直前の整え
この2つの視点が、検査結果を支えてくれます。
姿勢は“毎日の積み重ね”。
コルセットは“検査直前の調整”。
役割が違うからこそ、両方を丁寧に整えることでお子さんの背骨はより安定していきます。
◆“姿勢・体操・コルセット”のちいさな心がけ
完璧にやろうとしなくて大丈夫です。
- 姿勢は「少し気をつけてみよう」
- 体操は「できる日に、少しだけ」
- コルセットは「前回と同じように」
この3つだけで、お子さんの身体はしっかり応えてくれます。
検査前の不安を少しでも軽くし、未来の背骨を守るために、できるところから一緒に整えていきましょう。





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